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不登校 ひきこもりは 家庭の宝

息子の大学生活 その3

 

息子のひきこもり脱出記 NO.27

かなり間があきましたが、

息子の大学生活での「心」のことです。

 

大学では友だちができ、サークルのリーダーや自習室の長などを務め

成績もトップで奨学金も得て

教授にも認められ

大学生活を表面上は楽しく送っていたものの、

息子の心の奥底にあったものは、不安と焦り。

 

今、自分がこうして認められているのは

成績がいいからだ。

もし、自分の成績が落ちたら、皆は自分から離れていくのではないか・・・

次第に「結果のためだけの努力」になっていった。

 

さて、卒業を控え、就職するのか 法律の専門職を目指すのか

息子は迷っていた。

 

年齢のことを考えると、早く自立したいと考えて 就職をめざした。

 

しかし、

一般教養の成績が悪く

(先日、息子に学部の勉強が大変で一般教養を勉強し直すまで手が回らなかったのか聞いてみた。英語や数学はやはり子どもの頃のいやな思い出が頭をよぎり、学習できなかったとのこと。)

ひきこもり経験があり、年齢のこともあり

始めから半ば諦めていて、就職活動開始も遅れた。

そして、就職は上手くいかなかった。

 

となると、専門職に就くため 法科大学院に進むということ。

法科大学院適性試験への苦手意識で、精神状態は悪化。

学部の成績がトップなのに、就職もできない、法科大学院も落ちたら・・・と。

 

法科大学院選びは 自分なりに 大学のレベルと自分の成績、法科大学院の司法試験合

格率を調べて決めた。

息子は私には相談して、自分の心の状態や適正試験の苦手さを話していた。

しかし、夫には相談しなかった。

 

夫は、もっと上のレベルの大学院を受けたらどうだと息子に話していた。

息子が相談しないので、夫は息子の心の状態がよく分からない。

学部の成績だけみてそんな言葉を言ってしまう。

息子は息子で 話をしてもまともに聴いてくれないと始めから諦めている。

今までの経験から、息子は父親に不信感を抱いているから。

 

さて、適性試験は悪かったものの、

学部での成績が良かったことと、面接での印象が良かったことで法科大学院に合格。

 

息子としては面目を保って

大学を卒業

主席として、代表で卒業証書を受けることができた。 

 

小中学校での結果を求めさせられた勉強の苦しみから

大学では勉強の楽しさを知ったはずだったのに、

社会に出るとなると、やはり結果を考えてしまう。

それは、誰しもがそうなのだが

息子の場合はその度合いが違う。

成績が良かったのだから、それなりの結果を出さないと

認めてもらえない。

価値がない。

恥ずかしい。

 

良い結果でなくても、合格しなくても 

他にも道はあるのだ それが全てではない

そういう考え方を 息子はもつことができていなかった。

 

不登校のころと変わっていなかった。

 

それは、親が変わることができていなかったから。

息子の全てを受け入れ、認めていなかったから。

息子が大学進学したことで、親が安心してしまい、

親が勉強不足だったから。

親が安心しているだけで 息子は安心していない。

家庭は 息子にとって 安心・安全な居場所ではなかった。

自分の弱音を全て吐ける場所ではなかった。

 

夫は「親の会」の世話役を引き受けていた。

しかし、会を運営することに一生懸命になってしまい、

色々な講師に話を聞いても

自分の心に取り入れることができなかった。

 

 夫は 卒業式に出席し 息子の写真をとってきた。

普段は自分から息子のために行動しないのに。

この行動が 夫が全く変わっていなかったことの現れ。