ありのままの あなたで

不登校 ひきこもりは 家庭の宝

息子の司法試験浪人生活

息子のひきこもり脱出記 NO.32

 

鬱状態で 1回目の司法試験を受け控えした息子。

次の年はというと、やっぱり鬱状態が良くなったわけではなく、

試験勉強を全くしていなかった。

 

友だちと共に 予備校の司法試験対策の通信講座に申し込むなど

気持ちとしては 勉強する気はあるのだけれど、

実際にはほとんど手をつけることができない状態だった。

 

その一方、もう学生ではないのだからと

いつまでも 親に全て面倒を見てもらうわけにはいかないと

バイトを始めた。

自分の身分の不安定さを何とかしたいということもあった。

一応 職業にアルバイトと書くことができる。無職ではない。

 

アルバイトは

一カ所で定期的に働くのではなく

派遣会社に登録して 自分のできる日時に行う 短期のアルバイト。

息子のお気に入りは 試験監督 モニター 調査員 選挙投票所事務 など

また、愛知県の大学の教育臨床の講義や SCSカウンセリング研究所の親の会で

自分の不登校 ひきこもり体験を話すこともあった。

 

家にいるときは ダラダラして昼まで寝ていて 勉強も手につかないのだが

バイトには遅刻せずに行くことができた。

バイトによっては マニュアルを読んで勉強をしていかなければならないものも多い。

それでも、それは熟すことができた。

 

司法試験に受かって 弁護士になることは 息子の夢ではあったけれど、

論文試験対する苦手意識で息子は鬱になってしまう。

「結果」を求められ、「結果のためだけの努力」を要求されている

「受からなければ 今までのことが水の泡」

「受からなければ 人生が終わってしまう」

という視野狭窄、強迫観念にまたまた支配されてしまっていた。

学ぶことの楽しさ、挑戦することの楽しさ、将来への希望が忘れ去られてしまっていた。

 

カウンセラーの桝田先生の見立ては

「大きな壁にぶつかっての自信喪失。自己否定感が強くなり、今後の人生を不安視し

 て、強迫観念にさらされている。その苦しみを父親が今ひとつ理解しておらず他人事

 という態度のため、自信をもって勉強に臨めなくなっている。」

と、いうことだった。

息子は、高校、大学、法科大学院で 認めてもらってきたと ある程度の自信をもつこ

とはできていたが、

「自分の 成績を皆が認めてくれているだけ。自分という人間を認めてもらっているの

 かは分からない。」

と、思ってきた。

本当の意味の 自己肯定感が育っておらず、何かあると自己否定が強くなる。

父親が 成績のことのみで 自分という人間を認めてくれていない と、いうことも大

きな原因だった。