ありのままの あなたで

不登校 ひきこもりは 家庭の宝

息子の苦しみ~ 分かってあげるのは「親」

息子のひきこもり脱出記 No.15

 

通信制高校の学習。

教材は通信制高校とあって いきなりの高校の勉強ではなく 高校教材の準備段階中学

の復習からだったので 息子にも取り組みやすいものだった。

CS放送の受信機も送られてきて、放送を聴きながら学習できる方式だった。

でも、やっぱり学習はできない。

私は高校のことは一応準備し勉強のしかたなどを話はしたが、勉強しないことについて

は仕方ないよねと思っていた。

まだ心も体も癒えていない状態だったのだから。

 

勉強どころか、そのために引っ越したフレンドスペースにもなかなか顔を出せない状態

だったのだから。

 

一人でアパートにいるのがつらい状態だったのだろうし。

何とか出て行きたいと思っていた状態だった。

でも、出て行けない。

私は、息子のアパートを訪ねたときは、一緒に美味しいものを食べに行ったり買い物に

行ったりして、外出する機会だけつくっていた。

 

夏ごろだったか 息子が言った。

「明日はフレンドスペースに行こうと思っても、目が覚めるのは昼過ぎ。

 それから支度して、電車で出かけようとしても フレンドスペースは終わってし

 まう時間になる。どうしたらいい?」

 

自律神経が狂っていて うつ病 強迫神経症もちの息子にとっては、自分の身体さえ思

うように動かすことができない状態だった。

苦しんでいた。

 

世の中には、不登校 ひきこもりを「甘え」という人がたくさんいて、

「親が甘やかすからいつまでも自立できないんだ。」

などと、本人の状態や気持ち 苦しみ をよく知りもせず無責任なことを言う。

でも、本人が一番「このままの状態ではいけない。何とかしたい。」と思い、それがで

きない自分を責めて苦しんでいることを分かって欲しい。

 

まだ、引っ越して1年のことだったが。

電車に乗ることを楽しみに通えるのではないかと決めたアパートだったが。

私は

「フレンドスペースからもっと近いところに住み直す?」

と、提案した。

息子も その方がいいかなと考え始めた。

 

親として私ができることは、

息子の言葉をよく聴いて 息子の思いを想像すること。

そして、どうしたらその思いに応えることができるのか。親ができることは何かを考え

ること。

だって、息子が自分の今の状態を打ち明けるのは、

「自分だけでは何ともできない。困っている。苦しい。何とかして欲しい。」

と、親を頼っているのだから。

 

それは、何歳だろうと関係ないと私は思う。

不登校 ひきこもりをしているということは 心に何か辛いものを抱えているのだか

ら。

それを一人で解決しようとするのは無理で、「私はだめだ。」と悪い方へ悪い方へと考

えが行ってしまうから。

人に頼り、他の考え方を知ることはとても大切なことだと思う。

親に頼り、親がそれで大丈夫なんだよと認めてくれたとき、安心して「自立」できるの

だと思う。

もともと親はそういう存在だと思う。

ただ、何らかのことで不登校 ひきこもりになり それが少し遅れているだけ。

無理に自立させようとしても、不安を抱えたままでは上手くいくはずが無い。

 

子どもと上手くコミュニケーションができていないとき、子どもは悪態をついてくるこ

ともあるし、暴力をふるってくることもある。

でも、それも親に「分かって欲しい」と訴えていること。

親だからこそ、頼りにしていること。

何を訴えているのか、子どもの心を想像し考えることが大切なのではないかと、私は思

うのです。