ありのままの あなたで

不登校 ひきこもりは 家庭の宝

フレンドスペースへ 不安いっぱいの船出

息子のひきこもり脱出記 No.11

 

息子の不登校 ひきこもり からの脱出までの話に戻ります。

 

私が息子の希望を受け入れたのはアパートのことだけではありません。

鉄道模型のこともです。

 

息子は小さい頃から鉄道が好きでプラレールなどで遊んでいました。

それが、小学校高学年ごろからは、鉄道模型に興味が移っていきました。

しかし、鉄道模型は値段が高い。大人のおもちゃ、趣味でもありますから。

そこで、そんなに買ってあげるわけにはいかず、誕生日のプレゼントなど何かあるとき

に買ってあげていました。

それが、だんだん増えていき、家が広かったこともあり面積も広げて楽しむようになっ

ていました。

ですから、アパートにもそれをもっていきたくて、2DKにもこだわったのでしょう。

 

そこで、息子の注文。鉄道模型を走らせるベースボードが欲しいということでした。

市販の小さなボードは継ぎ合わせることができるのですが、継ぎ目がどうしてもでこぼ

こしてレールが敷きにくく、走りが安定しないからです。

息子は不安いっぱいなのだから、せめて自分の好きなもので遊ばせてあげたいと思いま

した。少しは気を紛らわすことができるだろうと。

 

ここで登場したのが、私の父。

父は技術家で、若い頃から自分の趣味でいろいろな物を作るのが好きな人でした。

父に相談すると、息子や私のことを批難したりせず、息子と一緒に作ってくれました。

 

家具や家電は、埼玉に住んでいた主人の弟(前出で、そのときは半ひきこもり)に手伝

ってもらい、千葉近辺で用意して搬入しました。

そして、義弟が借りてくれたワゴン車で鉄道模型や身の周りのものを岐阜から運ぶこと

になりました。

 

しかし、息子の足がなかなかそちらに向かない。重い。予定の時間を大幅に遅れての出

発になりました。

当たり前ですよね。

縛られている家族や周囲から開放されると言っても、初めての土地で、アパートで一人

暮らし。

今までの生活はすべて家族に頼ってきたのに、食事の支度も、洗濯も掃除も、すべて一

人でやらなくてはならない。まだ、16歳です。

何かあると思いをぶつける母親(私)も側にいない。

 

私は、今思い返しても、よく16歳の息子を一人でアパート暮らしをさせたなあと思い

ます。

でも、それだけ、息子も私もこの家のままではいけない。なんとかしたい。という思い

が強かったのですね。

 

そして、私がいつも思うのは、ありのままの息子を受け入れてくれた 義弟、私の実

家、フレンドスペースの存在が大きく、ありがたかったと思います。