ありのままの あなたで

不登校 ひきこもりは 家庭の宝

「前川喜平さん講演会 in ぎふ」に参加!

 

「息子のひきこもりからの脱出」について書いていくと言いながら、今回は先日感銘を

受けたことについて書きます。ごめんなさい。

 

あの「あったものを なかったことにできない」と国会の参考人招致において毅然とし

た態度で真実を述べた前文部科学省事務次官・前川喜平さんが岐阜に来て下さる。どん

な方だろうと興味があり、息子とともに参加してきました。

 

この講演会は「だれもが幸せに生きていける学校・社会・世界」のあり方

「子どもたちの未来のために私たちに今できること」を考える講演会でした。

 

教員であった私は ・全国共通学力試験 ・ゆとり教育をうたっておきながらその成果

をしっかり検証せぬまま「学力が落ちた」と方向転換 ・道徳の教科化 等々  文科

省のやることは 教育の現場が分かっていないと反感を覚えていました。しかし、今回

の前川さんのお話で 行政と政治の関係がはっきりと分かってきました。

 

前川さんは 今 道徳の教科化を一番心配されていました。私も道徳の教科化は大反対

です。「こうあるべき」と押しつける教育となり 自分でしっかり考える力を失わせ

多様な生き方を否定してしまうことになると思うのです。戦前の「修身」と変わらなく

なってしまうと思うのです。また、人間の気持ち・考えを「評価する」などできるはず

がありません。子どもたちは本音を見つめず 立前で生きていくことになると思いま

す。このような教育は「生きづらさ」を助長し、新たに「ひきこもり」を生んでしまう

のではないかと思います。

 

前川さんは 法学部出身であり 「人間尊重の精神」 憲法のいう「人権」「教育

権」について 確固たる信念をおもちの方でした。

また、官僚としても 全体の奉仕者として働こうとする熱い信念をおもちの方でした。

ただ、文科省として官僚としてのお考えはあっても、政治家からで言われると(政治家

は民意で選ばれている)政治の言う通りにしかできない歯がゆさを抱えていたそうで

す。

 

組織のしがらみから離れた前川さんは 現在 自主夜間学校や学習支援ボランティアへ

の協力を積極的に行っていらっしゃるそうです。

 

なぜそのような活動をしていらっしゃるのか

「教育の義務」です。誰もが平等に教育を受ける権利があるということです。

義務教育は 子どもが通わなければならない という義務ではありません。

親が子どもに受けさせなければならない という義務でもありません。

親が子どもが受けたい教育を妨げてはいけない ということです。

戦前は 生活のために親が子どもを働かせて 教育を受けることができなかった子ども

がいたので この教育の義務ができたわけです。

ですから、前川さんは 義務があるのは国 と言われました。

「国は すべての人に普通教育を無償で受けさせる義務がある」

普通教育には 共通な 言語 数学 のような基礎的な共通な項目もあるが

その人の「能力・個性」にあった項目も入れられるべき と言われました。

 

義務教育を家庭の事情 病気 不登校などの何らかの理由で受けることができなかった

方々のために 夜間中学やフリースクールなどの受け皿が今までできていなかった。国

も本腰を入れてやるべきということでした。

 

東大出のエリートがこのように考えているなんてビックリでした。上だけを見て出世し

てきたのだろうと勝手に思い込んでいました。

また、講演会も時間が過ぎても熱く語って下さいましたし、質疑応答の時間にも丁寧に

答えて下さり、タクシーのお迎えギリギリまで話を続けて下さいました。

本当に人権感覚が優れた方なのだなあ。熱い思いをもっていらっしゃる方なのだなあ。

と大ファンになりました。

 

最後に 事務次官を退任する日、前川さんが文部科学省の全職員に送ったメールが紹介

されていましたので、一部を紹介します。

「私が考える文部科学省職員の仕事は 子どもたち、教師、研究者、技術者、芸術家、

アスリートなど、それぞれの現場でがんばっている人たちを助け、励まし、支えていく

ことです。特に、弱い立場、つらい境遇にある人たちに手を差し伸べることは、行政官

の第一の使命だと思います。」

「セクシャル・マイノリティに限らず、様々なタイプの少数者の尊厳が重んじられ、多

様性が尊重される社会を目指してほしいと思います。」

「気は優しくて力持ち、そんな文部科学省をつくっていってください。」

 

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皆さんも機会があったら是非前川さんのお話を聴いて下さい。人間性にふれてくださ

い。