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不登校 ひきこもりは 家庭の宝

子どもを傷つける「マルトリートメント」って何?

2月17日(土) フレンドスペース大阪センター主催(名古屋開催)の親子の絆カウンセリンググループワークに参加してきました。今回の講師は今村とき子先生です。

 

今回も 治すと寄り添いについて話し合いましたが、先生が資料として用意して下さったのが 友田明美先生(福井大学教授 脳科学者 小児精神科医)の言われる「マルトリートメント」の記事でした。

 

「マルトリートメント」って初めて聞いた言葉でした。

 

子どもの健全な発達を阻害する「不適切な養育」というのが「チャイルド・マルトリートメント」ということだそうです。このマルトリートメントによって、子どもの脳に悪影響を及ぼす場合があるそうです。

 

 

不適切な養育といっても いわゆる虐待とはどう違うのか

 ・身体的暴力 ・性的暴力 ・心理的虐待 ・ネグレクト などだけではなくもっと広い概念で考えるのだそうです。

 

マルトリートメントには「身体的マルトリートメント」と「精神的心理的マルトリートメント」があるそうです。

 

身体的マルトリートメント

 ・愛のムチと言って 叩く 蹴る つねる 突き飛ばす

 ・もので叩く ものを投げつける

 ・子どもの持ち物を没収する 壊す

体罰を長時間受け続けると こんな脳の障がいにつながる可能性があるそうです。

 ・感情や思考をコントロールし、行動抑制力に関わる「前頭前野」の容量が小さくな

   る

 ・集中力、意思決定、共感などに関係する「右前帯状回」が減少、うつ病などの気分

  障害や非行を繰り返すといった素行障がいにつながる

 ・痛みを伝える「視野~感覚野」の神経回路が細くなる 殴られたも痛みを感じない

  よう鈍感になるように脳が「適応」する

また、子どもは親に対して「不信感」しか感じなくなり、体罰は身体だけでなく、脳や心の発達にも影響するのだそうです。

 

精神的心理的マルトリートメント

 ・過干渉

 ・兄弟や周りの人との比較

 ・感情にまかせた暴言(心にもないことをつい言ってしまう)

 ・夫婦喧嘩を見せる

 ・スマホ育児

暴言によるマルトリートメントも心と脳に深刻なダメージを与えるそうです。

 ・過干渉(過保護は子どもの欲求なのでいいが・・・物はだめ 過干渉は親の勝手な

  思いで子どもの欲求とはずれている) 心理的なストレスになり「どうせ自分は頑

  張ったてダメなんだ」と子どもの自尊心を傷つけ自己肯定感がなくなる。それは大

  人になっても消えない。

 ・言葉の暴力 過度の不安感や怯え、情緒障害、うつやひきこもり・不登校の原因と

  なり、大人になってからも劣等感やトラウマを抱えやすくなる

  神経伝達をする「シナプス」の効率化が行われず、脳内のネットワークが煩雑にな

  ってしまい、会話で余分な負担がかかって心因性難聴から情緒不安になったり人と

  関わることを怖がるようになってしまうこともある

言葉の暴力は脳へのダメージが甚大で、幼い頃に両親の夫婦げんかを見て育つと、知能や語彙理解力に影響があるそうです。特に「DVの目撃&自分への暴言」は最もトラウマ度が高く深刻な状態になるそうです。

 

心や脳への深刻なダメージがあると聞くと とっても心配になります。やってしまっていると・・・。でも、適切な養育で 回復するそうですよ。特にお子さんが小さいのならまだまだ大丈夫。

我が家のように成人になる前に気付いて良かったですね。トラウマから抜け出すのにかなり苦労していますが、主人も少しずつマルトリートメントに気付いていますのできっと大丈夫と信じています。

 

友田先生からのアドバイス 適切な対処法

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子どもの脳を傷つける親たち (NHK出版新書 523)

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